海外展示会の保険|いつから準備する?

「海外展示会への出展が決まった。でも、保険は何から始めればいいのか分からない」
 
はじめての海外出展では、そう感じる担当者の方が多くいらっしゃいます。調べてみても国内向けの保険の情報が中心で、海外展示会について詳しく書かれたものは多くありません。
 
この記事では、展示会の開催日から逆算して、いつ何を準備すればよいのかをお伝えします。保険の手続きそのものにかかる日数だけでなく、工程表に出てこない時間についても書きました。

 

1. 結論:海外展示会の保険は、開催の2〜3ヶ月前から



海外展示会の保険は、開催日の2〜3ヶ月前から準備を始めることをおすすめしています。
 
それより早く出展が決まっている場合は、その時点でご相談ください。早い段階で動いておけば、条件の追加や差し戻しがあっても慌てずに対応できます。
 
なお、保険の手続きそのものは2〜3週間で終わります。それでも2〜3ヶ月前をおすすめするのは、工程表に出てこない時間が3つあるためです。順にご説明します。


 

2. 保険手続きの流れと、かかる日数



当社の場合、手続きの流れと日数の目安は次のとおりです。
 
① ご相談(補償の整理・お見積提示):5営業日
② 主催者要件との照合・過不足の確認:3営業日
③ お申込・ご契約(保険料のご入金)から、引受・英文付保証明書(COI)の発行まで:2営業日
④ 主催者へCOIを提出し、差し戻しがあった場合の再発行:5営業日
⑤ 保険証券の発行:10営業日(いちばん最後の工程です。COIの提出には影響しません)
 

通算すると、次のようになります。
 
・②の照合を省略した場合:最短7営業日
・②の照合を行った場合:10営業日程度
・差し戻しがあった場合:さらに5営業日程度
 

当社のサービスページでご案内している「英文付保証明書(COI)発行 最短7営業日」は、②の照合を省略した場合の日数です。①の5営業日と③の2営業日を足した数字にあたります。照合を行う場合は10営業日程度とお考えください。
 
※日数はいずれも目安です。案件の内容により前後します。


 

3. なぜ2〜3ヶ月前なのか|工程表に出てこない3つの時間


手続きは2〜3週間で終わるのに、なぜ2〜3ヶ月前からの準備をおすすめするのか。理由は、上の工程表に出てこない時間が3つあるためです。

 
【1】社内の決裁と保険料のご入金
 
保険の手続きは、保険料のご入金までで完了します。社内の稟議や支払いの決裁に時間がかかると、そこで止まってしまいます。
 
実際に、11月の展示会について4月にご依頼をいただいたお客様がいらっしゃいます。打合せに十分な時間を取ることができ、差し戻しが出ても慌てずに対応できました。保険料のご入金が完了したのは7月末で、ご依頼から約3ヶ月かかっています。

 
【2】業者登録
 
ご契約にあたって、当社と保険会社の双方を社内の業者登録に通していただく必要が生じたケースもあります。この手続きにも日数がかかります。
 

【3】春と秋の集中
 
海外展示会は春と秋に集中します。この時期に出展される場合は、特に早めにご相談ください。
 
つまり「2〜3ヶ月」という目安は、保険の工程から出てきた数字ではなく、お客様側の社内プロセスを見込んだ数字です。


 

4. 保険の前に、まず出展申込を済ませてください



海外展示会の保険で、意外と見落とされやすいのがここです。
 
主催者が求める保険要件(Insurance Requirements)は、主催者が配布する「出展者マニュアル」に記載されています。そしてこのマニュアルは、多くの場合、展示会への出展を申し込むとダウンロードできるようになります。
 
つまり保険の条件は、主催者から届くのを待つものではなく、出展を申し込めば自分で取りに行けるものです。
 
逆に言えば、出展申込が遅れると、保険要件の確認、お見積り、照合、ご契約、英文付保証明書(COI)の発行まで、すべての工程が後ろにずれます。申込がぎりぎりになると、そこから先が一斉に詰まります。
 
さらに、展示会によっては定員に達し、出展そのものができなくなることもあります。
 
社内で出展が決まった時点と、主催者へ正式に申し込む時点は、同じとは限りません。出展が決まったら、保険の準備よりも先に、まず出展申込を済ませてください。


 

5. 開催日から逆算したスケジュール



では、実際にどのような流れで進めればよいのか。開催日から逆算してみていきます。

 

開催3ヶ月前|出展申込・保険のご相談


 
出展が正式に決まったら、主催者への出展申込を済ませ、あわせて保険会社や代理店にご相談ください。
 
ご相談の際、次のような情報があるとスムーズです。
 
・展示会名(公式サイトのURL)
・開催国
・会場名(所在地)
・開催期間
・展示内容・展示方法
・ブースの広さ
・保険金額
・保険要件(Insurance Requirements)
・英文付保証明書(COI)の指定条件
 
すべて揃っていなくても大丈夫です。「海外展示会への出展が決まったので、保険について相談したい」と伝えるところから始めていただければ、必要な情報はこちらでお伺いします。


 

開催2ヶ月前|補償内容の整理・お見積り


 
情報が揃ったら、保険要件をもとに必要な補償を整理し、お見積りを作成します。
 
保険要件は英語で書かれ、専門用語が並びます。意味が分からない場合は、そのままお送りください。日本語に訳したり、関係がありそうな部分だけを抜き出したりする必要はありません。抜き出す段階で判断が必要になってしまうため、原文のままお送りいただくほうが正確です。


 

開催1ヶ月前|お申込・英文付保証明書(COI)の発行


 
補償内容が決まったら、お申込・ご契約に進みます。保険料のご入金まで完了すると、引受と英文付保証明書(COI)の発行になります。
 
発行したCOIを主催者へ提出したあと、記載内容が要件と合っていないとして差し戻されることがあります。多いのは次の3つです。
 
・保険金額が主催者の指示どおりに設定されていない
・Additional Insured(追加被保険者)やWaiver of Subrogation(求償権放棄)の対象先が設定されていない、または対象を取り違えている
・Policy Holder(保険契約者)の設定と記載がない
 
差し戻しがあった場合、修正と再発行にさらに5営業日程度かかります。それぞれの理由と、要求文のどこを見ればよいのかは、別の記事で詳しく説明しています。


 

6. 締切は「開催日」ではなく「保険始期」です



ここは強くお伝えしたい点です。
 
英文付保証明書(COI)を提出したあとに差し戻しが発生した場合でも、保険始期の前であれば修正や変更ができます。
 
逆に、保険始期を過ぎてしまうと直せません。
 
つまり実質的な締切は、展示会の開催日ではなく、保険の始期です。しかも保険始期は、お客様がご自身で決めるものではなく、主催者の付保要請によって決まります。搬入日以前に設定されることもあり、その場合は開催日よりかなり手前が期限になります。
 
開催日まで日数があるように見えても、実際の余裕はそれより短い。
早めに取りかかっていただきたい理由は、ここにいちばんはっきり出ます。


 

7. お見積りの段階で、主催者の要件と照合しておく



工程表の②にある「照合」は、主催者が求めている保険条件と、お見積りの内容が合っているかを事前に確認する作業です。3営業日ほどいただきます。
 
実は、この照合をされない方が約半数いらっしゃいます。お急ぎの方ほど省略されます。


 

照合でしていること


 
ご依頼の際に、付保要請(出展者マニュアル)をあわせてお送りください。最初のお見積提出時のオンライン打合せで、要求文とお見積りの内容を項目ごとに照らし合わせ、過不足がないかを確認します。

 

お見積りを主催者に見てもらうという手


 
お客様によっては、この段階のお見積りを主催者・運営側に見てもらう方がいらっしゃいます。
 
ひと手間に見えるかもしれません。ただ、この3営業日を惜しむとどうなるかを考えてみてください。
 
照合をせずに進めた場合、主催者からのNGは英文付保証明書(COI)を提出したあとに来ます。そのときにはすでにご契約が済んでいます。しかも直せる期限は、前の章に書いたとおり保険始期までです。
 
照合をしておけば、NGが出るのは契約前のお見積りの段階です。ここなら補償の追加も条件の変更もやりやすく、期限にも追われません。
 
同じNGでも、出るタイミングが変わります。3営業日は、そのために使う時間です。はじめて海外展示会に出展される場合や、主催者の保険要件が細かい場合は、省略せずに照合を行うことをおすすめします。


 

8. 準備が遅れてしまった場合



「気づいたら展示会まで1ヶ月しかない」「保険について何も準備していなかった」という場合でも、まずはご相談ください。
 
ただし、英文付保証明書(COI)の発行には、照合を省略した場合でも最短7営業日程度かかります。照合や差し戻しがある場合は、さらに日数が必要です。日程によっては、お受けできないこともあります。
 
間に合うかどうかは、展示会の日程と保険始期によります。期限が迫っている場合は、メールではなくお電話でお問い合わせください。その場で見通しをお伝えします。


 

9. よくある質問


・展示品は保険で補償されますか?
・輸送中の事故は補償されますか?
・万一事故が起きた場合はどうしたらいいですか?
 
こうしたご質問は、次の記事にまとめています。

海外展示会保険Q&A|初めての海外出展でよくある疑問

 

10. お問い合わせ


当社では、2024年より海外案件について年間100件を超えるご相談に対応しています。海外展示会の保険手配も、これまでに180件以上の実績があります。
 
海外展示会の保険は、英文証券と英文付保証明書(COI)の発行が前提になるため、扱える代理店が限られています。はじめての海外出展で不安な点があれば、お気軽にご相談ください。
 

海外ビジネス保険センター(GBIC東京)
TEL:03-4218-6981(平日 9:30〜18:00)
Email:gbic@beam-rm.jp
 
【お問い合わせフォームはこちら】
 

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。実際の補償内容は保険会社の約款および個別の契約条件によります。詳細はお問い合わせください


 

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