英文CGL保険|補償の範囲と求められる条件

英文CGL保険(Commercial General Liability)は、海外での事業活動にともなって生じた対人・対物の賠償責任に備える保険です。日本語の保険との最大の違いは、英文の保険証券が発行され、現地の取引先や展示会の主催者にそのまま示せることにあります。

このページでは、補償される範囲とされない範囲、契約の際に相手方から指定されることの多い条件、お手配の流れと日数を、実務に沿ってまとめています。

英文CGL保険とは

CGL は Commercial General Liability の略で、海外では事業者が持つ賠償責任保険の標準的な形です。施設の管理、業務の遂行、引き渡した製品や完成した作業に起因して、第三者の身体や財物に損害を与えた場合の賠償を対象とします。

日本の企業がこの保険を必要とする場面は、大きく2つに分かれます。ひとつは、海外の取引先や展示会の主催者から加入を求められた場合。もうひとつは、海外で自社が業務を行うにあたり、現地の賠償水準に見合った備えを自ら用意する場合です。

日本の生産物賠償責任保険(PL保険)との違いは、最強の海外ビジネス保険「英文CGL」完全ガイド|PL保険との違いと選び方を解説で解説しています。

どのような場面で求められるか

  • 海外の展示会・見本市に出展する。主催者が出展要項で加入を義務づけている
  • 海外の国際学会にブースを出す。学会事務局から証明書の提出を求められる
  • 現地での据付、試運転、技術指導、メンテナンスを行う。発注者との契約に加入義務が書かれている
  • 海外の取引先との契約書に、賠償責任保険の加入と証明書の提出が条件として入っている
  • 現地法人や支店を置き、施設の管理や業務の遂行にともなう責任に備える

いずれの場合も求められているのは、保険に入っていることそのものではなく、求められた条件どおりに入っていることを英文の書類で示せることです。

補償される範囲と、されない範囲

対象となりうるもの 対象とならないもの
施設の管理に起因する対人・対物の事故 自社の展示品や什器そのものの損害
業務の遂行中に起因する対人・対物の事故 従業員の業務上の災害
引き渡した製品・完成した作業に起因する事故 製品そのものの回収や交換に要する費用
争訟に要する費用(契約の条件によります) 仕事そのものの過誤による経済的損失

自社の展示品や持ち込んだ機材そのものの損害は、賠償責任保険であるCGLの対象ではありません。別の保険で手当てします。

設計、技術指導、システム開発といった仕事そのものの過誤による損害は、CGLではなく業務過誤賠償責任保険(E&O)の領域になります。該当しそうな場合はご相談ください。

契約で指定されることの多い条件

取引先や主催者から届く要求文には、次のような項目が並びます。

項目 意味
Limit of Liability 補償限度額。1事故あたり(Per Occurrence)と保険期間の総額(Aggregate)が別に指定されることが多い
Additional Insured 追加被保険者。相手方を被保険者に加えるという指定
Waiver of Subrogation 求償権の放棄。相手方に対して求償を行わないという指定
Primary and Non-Contributory 当社側の保険を第一次とし、相手方の保険を按分の対象としないという指定
Policy Holder 保険契約者。どの名義で契約しているかの表示

これらは、日本語の保険証券を英訳するだけでは満たせないことがあります。要求文の読み解きと英文付保証明書の発行については、英文付保証明書(COI)発行|主催者要件の読み解きと提出・差し戻し対応で詳しく説明しています。

英文の保険証券と、英文付保証明書(COI)の違い

英文の保険証券(Policy)は、契約の内容そのものを記した書類です。英文付保証明書(Certificate of Insurance/COI)は、その契約が存在し、どの条件で加入しているかを相手方に示すための証明書です。主催者や取引先が提出を求めるのは、多くの場合COIのほうです。

お手配の流れと日数

工程 日数の目安
① ご相談。補償の整理とお見積りのご提示 5営業日
② 取引先・主催者の要求文との照合、過不足の確認 3営業日
③ お申込・ご契約(保険料のご入金)から、引受・英文付保証明書(COI)の発行まで 2営業日
④ 提出後に差し戻しがあった場合の再発行 5営業日
⑤ 保険証券の発行 10営業日(最後の工程です。COIの提出には影響しません)

②の照合を省略した場合は最短7営業日、照合を行う場合は10営業日程度が目安です。日数はいずれも目安で、案件の内容により前後します。

提出期限が迫っている場合は、まずお電話ください。要求文をお持ちであれば、そのままお送りいただければ内容を確認します。日本語に訳したり、関係のありそうな部分だけを抜き出したりする必要はありません。抜き出す段階で判断が必要になるため、原文のままお送りいただくほうが正確です。

国によっては、現地で加入する必要があります

国によっては、その国で免許を持つ保険会社以外での加入が認められていないことがあります。日本側で英文CGLを手配できるかどうかは、進出先の制度によって変わります。詳しくは海外ビジネス保険の契約における問題点 ~現地法の付保規制について~にまとめています。

争訟費用の扱いは、日本の保険と考え方が異なります

海外の賠償責任保険では、訴訟に対応する費用の扱いが日本の保険と異なる場合があります。防御義務についてご存じですか?(海外ビジネス保険)で解説しています。

よくあるご質問

どの国でも同じ内容で加入できますか

いいえ。国によって求められる限度額の水準も、現地での加入が必要かどうかも異なります。進出先と業務の内容をお知らせいただければ、そこから整理します。

日本語の保険証券を英訳して提出できますか

足りないことがあります。英文の証券にしか存在しない項目を指定されている場合、翻訳では条件を満たせません。英文付保証明書(COI)のページで具体例を挙げています。

すでに加入している保険から証明書を出せますか

ご契約の内容によります。要求されている条件と現在の内容を突き合わせて確認します。証券をお送りいただければ、そこから判断します。

展示品が壊れた場合も補償されますか

英文CGLは賠償責任の保険ですので、自社の展示品そのものは対象ではありません。別の保険で手当てします。

保険料はどのくらいですか

補償限度額、対象の国、業務の内容、期間によって変わります。海外展示会に出展される場合の目安は海外展示会保険のページに記載しています。

関連ページ

ご相談・お見積り

当社では、2024年より海外案件について年間100件を超えるご相談に対応しています。海外展示会の保険手配も、これまでに180件以上の実績があります。

英文CGLは、英文の証券と英文付保証明書(COI)の発行が前提になるため、扱える代理店が限られています。要求文をお持ちの方は、そのままお送りください。お持ちでない段階でも構いません。

海外ビジネス保険センター(GBIC東京)
TEL:03-4218-6981(平日 9:30〜18:00)
Email:gbic@beam-rm.jp

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※本ページは一般的な情報提供を目的としたものです。実際の補償内容は保険会社の約款および個別の契約条件によります。詳細はお問い合わせください。