海外展示会の展示品リスク、保険で守れる?

みなさん、こんにちは。
2025年も残すところあとわずかとなりました。
今年を振り返りつつ、来年に向けて海外展示会の準備を進め始めている企業様も多いのではないでしょうか。

「展示品や機材に保険はかけられますか?」
というご相談を、弊社では日頃より多くいただいています。
 
そこで今回は、海外展示会で押さえておきたい保険のポイントを、わかりやすくまとめました。

1. 海外展示会でまず押さえたい保険


1-1. 賠償責任保険ってなに?
展示会では、思わぬトラブルが起こることがあります。
たとえば…
・来場者と接触し、けがをさせてしまった
・ブースの看板やモニターを破損してしまった
・搬入・撤去作業中に、会場の壁やドアを傷つけた
 
このような第三者への損害は、賠償責任保険でカバーできます。
短期間のイベント向けに設計された保険で、日本で加入し、そのまま海外展示会で使用するケースが一般的です。
 
1-2. 個人の持ち物は旅行保険でカバーできることも
 ノートPCやカメラなど、個人で使う持ち物なら海外旅行保険で補償されることがあります。
ただし、業務用機材や販売用商品は原則対象外なので注意が必要です。
 

2. 「もの」の保険が海外で難しい理由



国内では、以下のような保険に加入することができます。
・動産総合保険
・物流保険(運送保険)
 
これらの保険は、展示品・機材・商品などの「もの」をまとめて補償でき、破損や盗難も補償対象となるため、日本国内では一般的に活用されています。
 
しかし、これらの「もの」を海外に持ち出す場合、保険加入は一気に難しくなります。その理由は、リスク面法規制面の両方にあります。
 
【リスクによるもの】
海外では、保険会社がリスクを正確に把握しづらく、引き受けに慎重になります。
・国際輸送中の破損や事故のリスク
・現地での盗難リスク
・保管・管理環境が日本より不透明
・事故発生時の状況確認や原因特定が難しい
 
【法規制によるもの】
多くの国では「自国保険主義」が採用されています。
・人や物にかける保険は、税制や保険監督規制の関係から、原則として所在国で契約する必要がある
・そのため、日本の保険を海外にある「もの」にそのまま適用することができない
 
この結果、保険会社から見ると引き受けリスクが非常に高くなり、加入を断られるケースが多くなります。
特にアメリカでは動産保険の保険料が非常に高額で、仮に現地で加入できたとしても、コスト面で現実的ではない場合が少なくありません。
(先日の動画でもお伝えしたとおり、一軒家の火災保険が年間370万円になる例もあります。)
 
他の国や地域についても、加入条件や難易度、保険料水準は国ごとに大きく異なります。
 

3. 海外展示会での保険の考え方



3-1. 日本で準備する保険
・日本で加入した賠償責任保険を海外で使用
・短期間の展示会向け
・海外出張や短期業務に伴う賠償リスクを補償
 
3-2. 現地で準備できる保険
・現地の保険会社やブローカーで手配
・長期・継続的な事業向け
・現地の動産総合保険で展示品を、労災保険でスタッフを補償することも可能
※ただし、現地に法人や事業拠点がない場合、加入は難しいのが実情です。
 

4. 実務で押さえるポイント



・展示品や機材の保険は、基本的に「入れない前提」で考える
・日本での賠償責任保険でカバーできる範囲を確認
個人の持ち物は旅行保険で補償可能(業務用機材・販売用商品は対象外)
・長期滞在や現地事業がある場合は現地保険も検討
持ち込むものは最小限にし、現地レンタルを活用する
 
詳しい補償内容や具体的な対策について知りたい方は、ぜひ一度弊社までお問い合わせください。
海外ビジネス保険の専門家が対応いたします。
 
本年も格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。
来年も海外進出を検討される企業様のお力になれるよう、全力でサポートしてまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
 

5. 参考動画



***参考動画もぜひご覧ください***
 

2025.11.24 配信
経営者のためのニュース解説 ~フィリピンで立て続けに起きる自然災害!海外での火災保険料、驚愕の〇〇万円!日本も同じ未来に近づいている!?~

2025.12.6 配信
経営者のためのニュース解説 ~「海外×損害保険」 知っておきたい付保規制のポイントについて~


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